2010-2012年、MIT Sloan MBAプログラムに留学していました。アカデミックな話題から、ボストン生活、趣味まで、日々感じることを書いています。

April 30, 2011

ペルーの宿題

東部標準時3月11日朝。日本で地震があったと聞いた、お前の家族は無事か、俺に何ができるか言ってくれ、とたくさんの言葉・メールをもらった。温かいコミュニティで、人対人の関係を作れていることを、そして想定以上の人から気にかけてもらえていることを感じた。自分もそうあらねばならない。

その直後から震災支援関係でばたばたと動いていたが、ある日アメリカ人の友人の家に行き、いろいろな話をする機会があった。人種で固まるのは白人も同じで、文化もユーモアもTVの話も一緒だからだ。でも、そうじゃなく、もっと外に出て行かなければならないという話を仲間内でしたそうだ。昨日のディナーで、最低30分はお前の話をしたよ、という話を聞いて、自分が間違ったことをして来ていなかったことを実感した。その後Squashをやって共に汗を流した。毎週水曜日朝やっているから、お前も来い、とのこと。

また、チャリティTシャツの作業に忙殺され体調を壊し、家で寝込んでいた時に別の友人からTextがあった。寝てると伝えると、明日ご飯食べさせてやると言われる。ありがたい。他にも年明けから振り返ってみると、同じアパートに住むクラスメイトからTextがあって、一緒に近所のバーで飲んでからC-function(学芸会)行ったりとか、地元出身の奴にビール工場見学連れて行ってもらったりとか、セカンドハウスでパーティしたりとか、そういうのの積み重ね。

去年ペルーで考えた、アメリカ人に食い込む、というのがようやく自然体になった気がする。1月のシリコンバレーツアーで、アメリカ人と2人でドライブして会社訪問とか。つらかったけど意味あったな。ようやくここまで来れた。まだまだつらいが、日々の積み重ね。

March 12, 2011

Stand with Japan

2011年3月11日に発生した東北関東大震災の被災地の方々、そして現在日本にいらっしゃる全ての方々へ、心よりお見舞い申し上げます。信じられない映像を見るにつけ心を痛めつつ、皆様のご無事を心よりお祈り申し上げます。

MITスローンスクールに在学中の日本人学生は、国外にいるものとしてできることは限られているながらも、可能な限りの支援をすることが責務と考え、今回“Stand with Japan”と称するプロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトを通じ、私たちは日本の災害救助や長期復旧の取組に貢献する方法を考え、実行していきます。


『Stand with Japan Tシャツ』
迅速な初動が大切との考えから、すでにRed Cross等への募金活動は開始しているところですが、それに加え、私たちは、日本人デザイナーとアパレル会社の協力を得て”Stand with Japan” Tシャツを制作し、配布することとしました。このTシャツの目的は、

  1. 私たちの寄付金募集活動をさらに効率的に後押しすること
  2. 日本が直面する壊滅的な災害と復興のための懸命な取組に関し共通の問題意識を共有するコミュニティを形成すること
  3. そのコミュニティからのメッセージを日本にいる方々にも伝えること

です。

この取組みは、Face to Faceでのコミュニケーションを通じたファンドレイズ、顔の見える相手に向けて、寄付金に気持ちを込めることができる活動と考えています。現在MITスローンのみならず、MITワイド、そしてボストンエリアの教育機関・企業等とも連携し、オールボストンの活動とできるよう相談を始めています。本活動の様子は、Facebookのコミュニティページ等で紹介していく予定です。

February 13, 2011

実務的なモチベーションの上げ方

モチベーションの上げ方について。


受験中まったく勉強がしたくなくて、どうしたものかとある日本屋で勉強法の本を何冊も立ち読みした記憶があります。その中で、『レバレッジ勉強法』という本に書いてあった「小学生の勉強法」、すなわち時間割を作る、というやり方には非常に影響を受けました。このシリーズは食わず嫌いの人もいるかもしれませんが、機会があれば手にとってみてください。

やってできないことはあるけれど、いずれにせよやらない限りはできない、というのが大学院受験で学んだこと。というか、むしろやってできなかったところからがスタート。スポーツしたら、勝とうが負けようが筋肉ついてる。ちなみに心理学者マズローが作った
  • 「気分のよさ=実現したこと/期待、見込み」
という式があって、気分をよくするためには分子を大きくするか分母を小さくするかなのですが、分母を小さくする、つまり自分の価値を下げるほうに行っては決していけない。これは19世紀後半に階層化が進む資本主義社会で、革命が起きないよう社会をコントロールするために使われた概念だそうです。人が気分よくなるために自分の価値を下げに行くとしたら、そもそも制度の思うがまま。それに対抗するためには、勘違いでも勝手に期待を高く持って、不安な状態、気分がよくない状態に自分を置くしかない。これが大人のパンクだと信じてます。

松本人志は壁を崩して前に進むために「僕が一番だと思っている」と言い放ちました。石橋貴明も”みなさんのおかげです”を始めるために「○○回以内に視聴率20%に届かなかったら笑いの世界から身を引く」と当時フジテレビの編成局長に直談判した心は、チャンスの女神には前髪しかないからだ、と後に語ってます。すごい人はいるもんだ、とかんたんに片付けず、先に分母を大きくするやり方に、私も学びたいものです。

February 6, 2011

この国のボランティア

先日ボストンのホームレスに食事を出すボランティアに参加しました。教育もしっかり受けられずで、スペイン語しか話せずにアメリカで苦労している彼らと接するとたまたま恵まれた環境にいる自分が何をできるかと考えさせられます。


ボランティアについては、社会がそれを「よいもの」、階層が上の人はやらなければならないもの的な文化を作っていることがこの国の特徴だと思う。(一億総中流ではなく)階層が、ある。ほんとに貧富の差が激しい。読み書きそろばんレベルでも、世界一の大国は問題を多く抱えていると感じます。キリスト教的な、とかいろいろ言いようはあるんだろうけど、結局のところ、フィランソロピーには課税しないとか、相続税は死ぬほど取るとか、そういう具体的な金の流れを社会制度化することと、あとは大学入るにもボランティア経験が活きる(内申点プラス3みたいな)という具体的なメリットが彼らを動かしている側面もあると、たくさんの高校生と一緒に働きながら思いました。

January 25, 2011

起業という別のモチベーション

MITは、アントレプレナーシップに強みがあると言われています。いくつかのモチベーションから、自分もそうした科目を多めに取り、課外活動にも参加しています。

ひとつは、これまでIT企業で非技術者としてキャリア構築してきて、事業創造や事業開発に携わった経験を更に伸ばそうと考えているためです。「技術ベースで」「企業内で」事業を立ち上げ伸ばしていくためのアントレプレナーシップ(あるいはイントラプレナーシップ)は、例えば工学部の学生との共同プロジェクトなどで学ぶことができます。自己のスキルのひとつとして、自分はエンジニアの言葉を翻訳し、ビジネスの視点から捉えて協働できることが挙げられると考えています。このスキルを更に伸ばす経験を、理論および実践の両輪を回して積めるのは大きなメリットだと思います。

もうひとつは、ロングタームで考えた際に、いつか自分で事業をやりたいという想いが漠然とあるためです。その実現手段としてまったくのさらでやるのか、それとも既存企業のスピンアウトのような形態をとるのか、それは実現手段なのでまだはっきりしません。そもそもどんなビジネスアイディアがあるのか、いくつか思いつくものはあるものの、強い信念と成功の確信を持って取り組めるようなテーマは未だ出て来ていません。アイディアの探し方も、柔らかいながらもコツやフレームワークがあるので、今はそれを実際に自分で使ってみながら試行錯誤している最中です。

アントレプレナーシップに興味を持っているのはなぜかと考えてみると、そもそも、人に指図をされるのがとにかく嫌いなのです。これは過去のサラリーマン生活を通じて身に沁みて感じたことでした。起業家になれば、クライアントや株主に指図されることはあっても、少なくとも上司から指図を受けることはない。これはすごいことだ。そういうわけで、私のアントレ志向はキャリア・アスピレーションと言うよりは、むしろ性格特性から来ているのでした。

一方で、起業家としての行き方を選択するというのは、そう甘っちょろいものではないことも認識しなければなりません。こちらでは授業で教授が問うのも、実際の起業家が自己の体験を語ってくれる時に質問されるのも、「あなたは本当に起業家になんて馬鹿なものになりたいの?」ということです。世の中には、もっと楽にもっと大金を稼ぐ手段がたくさんある。それなのに、止むに止まれぬ想いであなたを起業に駆り立てるものはいったい何か。そうした問いに対し、果たして自分が本当に起業家になりたいか、というとそこまでの覚悟はできていないと認めざるをえません。自己裁量で仕事をしたいだの、イノベーティブな生き方がしたいだの、そんな戯言ではない世界が待っていることを思うと、どうしてもひるんでしまいます。ままごとではないのだ。

実際の話、何かを一から作り上げるよりも、既存のものを育てていくほうが数十倍も数百倍も容易だし、効率もよい。そして人生は仕事だけではない。起業するということは、起業家という生き方を選択することであり、(少なくとも事業を軌道に乗せるまでの数年間は)生活の充実とかバランスとかとは無縁の、ビジネスの世界に骨の髄まで漬かるということを意味する。始業時間も終業時間もない。フリータイムもないし休日もない。ビジネスのことが頭から離れない。そんな人生を私はあなたにお勧めしない、と彼らは言うのです。相当に重い言葉ですね。

しかしながら、やはりアントレプレナーシップについては学びを深めたいです。どうやって物事を一から始めるか、どうやって人を説得し、巻き込み、大きくしていくか。それについて学ぶことはきっと将来どんなビジネスをやるにおいても、あるいは仕事以外の人生においても意義があると思っています。

キャリア選択のことを考えても、それはきっと一段大きな視点を与えてくれるはずです。すなわち、どんな業界で働きたいか、どの会社がよいかと考えることは、一見すると可能性を網羅的に見ているようでありながら、実はどこでサラリーマンをやるか悩んでいる、というだけの違いでしかありません。自分がそれを選択するかどうかは別として、少なくとも起業という選択肢が世の中にはあると現実感を持って知ることによって、例えば自分が検討しているあのキャリアとこのキャリアでは、その後の人生が180度変わる、というほど大きなものではなく、誤差の範囲だな、と思えるかもしれません。

January 24, 2011

目標感の再認識

先週、某コンサルティングファームのインタビューで、自分について深掘りして話す機会があり、そこでなぜ自分がMBAを取りたいと思ったか、改めて目標感を確認することができた。

強烈なイメージとして残っているのは、2009年秋に世界展開を進める日系小売企業の役員とお会いした時のこと。我々はどんどん外に出て行くが、その時に組む相手は世界について知っている会社。一緒に勉強させてください、では心許なくて組めない。これを聞いたときには、やったことがないからできない、やれないから経験が貯まっていかない、結果どんどん世界から取り残されてしまう、という負のスパイラルに入り始めていることに心底あせりを感じた。そして、それを個人レベルで打破するための方策として、MBAへの決意を強くした。

そして直接的なWhy MBA?となっているのが、昨今のIT業界におけるグローバルレベルでのアライアンス推進。私のいた組織でも、海外M&A案件はどんどん増えている。同僚によれば、各国の対象企業とテレフォン・カンファレンスが日常的に行われ、英語や中国語で交渉する機会がよくあるようだ。昨今ITのビジネス環境は急速に変化している。

もちろん、これが直に、今後はどんどんグローバル案件に従事できる!というほどオポチュニティに溢れているわけではないことは承知している。IT企業の本業は当然のことながらアライアンスではなくアプリケーションの製造販売である。M&Aはあくまでも戦略を実現するひとつの手段であり、しかも飛び道具。

ただし、その機会があった際にそこに入り込めるようにReadyの状態を作っておくことはとても大切。実際に、もといた組織では、現在は英語や中国語ができるメンバーが海外案件を担い、そうでないメンバーは日本国内の案件に携わる、と明確に線引きされているそう。市場に変化があった地点から、じゃあ担当者であるあなたは、ベルリッツでも行ってスキルアップしてきてね、なんてことには決してならない。他にできる人がいたら、その人に国際案件が割り当てられる。

いくらM&Aの経験を国内で積んでいても、そもそも語学ができなかったら海外で交渉ができない。だから、少しくらいM&Aの経験がなくとも語学ができる人材が抜擢される。M&Aは、やりながら学んでね、わからないことがあったら周りに訊いてね、という具合だ。それくらい、語学および海外ビジネス経験は必須のスキルで、当該組織の国際M&A業務に関して言えばいわばノックダウンポイントになっている。経験に裏打ちされたスキルがないと、チャンスすら与えられないというのは、なんとも厳しい状況である。しかし逆に言えば、そのスキル経験を持っていれば、抜擢される可能性が高まるということであり、そして留学はそれを増す絶好の機会だ。

「どうやったら今後グローバルに働ける環境に身を置けるか」というのは、今の私にとって、キャリアを考える際の大きな問いになっている。それをブレイクダウンすると、ひとつは、自分自身のスキルとして、国際環境におけるコミュニケーション能力をどう劇的に高められるかである。これは答えの方向性はクリアーで、そのための筋力トレーニングを積む必要がある。プロジェクトやリーダーシップポジションなど、実際に体を動かす経験を通じ、積極的に取りに行かねばならない。

そしてもうひとつは、どこにグローバルビジネスに携われるオポチュニティを見出すか、ということである。これはなかなか難しい。一昔前は、企業派遣ではMBAを取ってもその後それを活かす仕事に恵まれず、企業個人ともに不本意な結果に終わることも少なくなかったと聞く。ここで仮に、MBA後に活かすべきアセットがマネジメント知識・スキルとグローバルコミュニケーション能力であると乱暴に整理したとする。この場合、高レベルのマネジメントに携わりたいという場合はともかくとして、グローバル業務に限って言えば、これまではそうした機会が日本国内にそう多くなかったというのが実情であろう。

しかし、その状況は大きく変わりつつあると思う。先述の小売企業もそうだが、いまや多くの日系企業が本気でグローバル進出を進めている。同時に国内にもかつてないほど外国企業が入ってきて競争をしている。ITの世界でも、顧客企業の国際展開に対応するのが求められるのはもちろんのこと、例えば韓国企業は日本の官庁案件にも入札しているし、日本のIT企業もアプリケーションの製造では中国やインドにオフショアするのは当然のことになっている。

IT業界に限らず、好むと好まざるとに関わらず、これからのビジネス環境は必然的にグローバル化する。そうした国際競争の中で日本企業がどう戦っていくか、大きなグローバル化の流れに対し、どのレベルで関わるか。それを見定め、決定していかなければならない。私のキャリアにおけるモチベーションとして、「世界に通用する強い日本企業をつくりたい、そのために自分ができることで貢献していきたい」というのがある。残念なことに、私は強い日本を知らない。高校生の時にはバブルが崩壊し、大学時代に日本経済の縮小を見て、就職氷河期と呼ばれる時期に就職した。

今ビジネススクールで学んでいても、日本企業あるいは日本という国のプレゼンスは極めて低いと感じる。授業ではまだ日本企業のケースは見ていないし、クラスメイトの日本、少なくとも日本企業に対する興味もさほど高くない。Japan Trekというクラスメイトの日本へのスタディツアーを企画するために話をしていても、本当に、彼らの口から出てくる企業名はトヨタ、任天堂くらいのものだ。もちろんそれらの従来から言われる超一流日本企業はビジョナリーで日本が世界に誇れる企業だが、一方で、いつまで日本=トヨタなのか、もういいかげんその状況が変わってもよさそうなものだとも思う。

私は、もう一度強い日本をつくりたい。世界に打って出て、勝っていける企業を増やしたい。そしてそのための地力は十分にあると確信している。私の派遣元である企業も、海外展開に大きくシフトしている。したがって、MBA後のキャリアとしては、自らが事業会社に身を置き、その戦略を推進するというのは、当然に考えられるオプションだ。そして他のオプションとしては、(例えばコンサルタントとしての立場から)海外に出て行ける日本企業を何社も作ることだ。これはレバレッジが効くアイディアなので、別の観点から魅力的だ。

自分の興味の方向性、スキル能力、性格特性を鑑みた際に、どういうやり方が一番インパクトを与えられるか、具体的な関わり方については引き続き考えていこうと思うが、留学して半年たった今の時点で、早くも忘れかけていた当初の想いを、図らずもインタビューで言葉をつなぐ中で、生々しい形で再認識できたことは大きな収穫だった。

January 2, 2011

インタビュー対策

去年の年末年始を振り返ると、私は12/311/2Mock Interviewに行った記憶があります。2nd出願も今が山場。皆さんが心をわしづかみにする、力強いエッセイが書けていることを祈っています。

面接対策も並行で大変な時期と思います。私は面接官がメモを取ることを意識し、彼らが書きながら頭に入りやすいように、物語の構造とメッセージを研ぎ澄ましていました。それが案外2ndのエッセイにも反映されてよくなった気がしてます。

ちなみにインタビューでは、トップ校からはどこも自校が第一志望かどうかを念入りにチェックされた記憶がありますが、MITで第一志望だ、と言ったら「Whartonが第一志望といわなくてよかったよ」と返されたことを覚えています。Kelloggでは、そのゴールでStanfordINSEADよりもうちな理由は何?と深掘りされました。ChicagoWhy Chicago?の後にHow did you confirm it?と来ました。危険。インタビューはスピーチではなく対話なので、ジャブを振られても慌てず会話のリズムを保てるよう心がけてください。

よい結果になりますように。