2010-2012年、MIT Sloan MBAプログラムに留学していました。アカデミックな話題から、ボストン生活、趣味まで、日々感じることを書いています。

November 17, 2010

挑戦を賞賛する文化

MITのカルチャーについて、実際に身を置くようになって感じること。

まず、よく言われるとおりInnovativeであることはとても感じます。考えるより「とりあえずやる」という姿勢をとても評価してくれます。行動することで具体的な結果が出ますし、フィードバックループを繰り返していくことで成長できます。私もEntrepreneurship & Innovation Trackという選択科目を履修しクラスメイトの前でビジネスプランを発表したり、Sloan Entrepreneurship for International DevelopmentというStudent clubに入りTanzaniaにInnovation Centerというインキュベーション組織を立ち上げたりしています。Boston Areaは、エスタブリッシュトな企業があるだけでなく、シリコンバレーに次いで全米第2の起業集積地帯でもあり、そうした環境で起業家、ベンチャーキャピタル、エンジェルの話が聞けたり一緒に働けたりすることは他校にないメリットと思います。

またこれも教科書的なことですが、Minds and Hands(なんか正式なラテン語があった気がしますが)の精神があることはとてもファンダメンタルな部分で効いてきます。MITは少し年齢層が高いので、実務経験に基づいた議論ができることはメリットと感じました。また各校理論と実践の両方をやると謳ってはいますが、実践の機会の程度には実は大きな差があります。例えば海外のコンサルプロジェクトは他校ではかなり競争率が激しいと聞きますが、MITは学生の半分以上が登録します(特に行きたくないという人はそもそも申し込まないので、実際は希望すればほぼ行けるようです)。

加えて、Data-drivenなカルチャーだということをある教授が言ってました。定量的、あるいは定性的でもよいのですが、事実に基づいた意思決定、それがカリキュラムにも息づいていると感じます。DMDという科目が1年生のコアに入っているのですが、一般的なStatisticsの授業に比べ、はるかに経営マターに直結する形でデータを扱うやり方を学んでいると感じました。「とりあえずやる」の縁の下を支える“ノリ”でない意思決定、これは大事だと思います。

最後に、人はとてもWarmでさらにHumbleだと感じます。アメリカ人になかなか入り込めない、とはキャリアフォーラムで再会したときに各校の人が言っていたことですが、MITはこちらが突っ込んでいけばアメリカ人が聞く耳を持ちます。こちらが英語ができなかろうと、熱い話を持ちかけてきて盛り上がります。第2言語で戦っているのはすごいことだ、とRespectを示してくれます。各人がHumbleであるからこそ、他人をRespectする文化が生まれるのだと思います。

何かに取り組もうとする姿勢を個人レベルで賞賛すること、それがInnovationを生むMITのカルチャーなのだと思います。

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