2010-2012年、MIT Sloan MBAプログラムに留学していました。アカデミックな話題から、ボストン生活、趣味まで、日々感じることを書いています。

June 9, 2012

2年間の振り返り


MBA2年間の振り返り。

この2年で、自分は何を学んだだろうか。知識レベルのことはもちろんだが、リーダーシップというわけのわからないものの理解がちょっと深まっただけでも、この2年間は学費を払っておつりが来る期間だった。リーダーがいるわけではなく、リーダーシップという行動がある。それは自分を危険にさらす。そしてあなたの行動は人に行動を強いる。その踏み出したらもう戻れない行動を他人にさせることに、あなたは責任を持たなければならない。それが正しい方向に向かっていることを信じれば、できる。そんなことを学んだ。いくつかの活動を通じ、体で感じた。そしてリーダーシップを発揮しなければいけない局面に鼻が利くようになったので、今後それが来たら逃げずに立ち向かおうと思う。

そして社交に精を出した成果として、有形のネットワークと、同時にコミュニケーションの体の動かし方というソフトスキルが身に付いた気がする。つまり、会話の型(イントロ、トピック選定、膨らませ方、ジョーク、去り方)みたいなものを徹底的に繰り返すことによって、将来知らない人に会っても関係構築できるという自信が少しながらついてきた。何度も失敗し、へこみ、体で覚えたものは、将来きっと役に立つと信じる。テクニックとしては学んだことは細かく言い出すといろいろあるのだけれど、でも究極のところは好かれたかったら好きになれ、ということなのかな。もしも何人かの友人が私のことを好いていてくれたのなら、それは私が彼らに興味を持ち、好意を示し続けたからだと思います。なんか恋愛みたいだけど、そういうことだと思う。

あとはこの2年間における自分の中の変化としては、ちょっとのことでは驚かなくなった。半年かけて作り上げたイベントの開始数日前にいきなり震災が来て実行是非を判断することになっても、異国到着3時間で貴重品すべて盗難に遭っても、インド人の英語がわからなすぎても、まあ次起きたら想定の範囲内、と言える。焦って自分を見失わなければ、打ち手も見えてくる。

で、最後に一つ、グローバルで(少なくともアメリカで)生活する耐性がついた。これは自分ではあまり気づかなかったのだけど、2年経ってみると一日ずっと英語環境でもいつの間にか疲れなくなっている。日本食も特になくても大丈夫。なにかにつけて交渉しなきゃならないのも、あきらめも含めてだけど慣れてきた。これは、MBAというよりはアメリカ生活の成果なのかもしれないけど、例えば駐在でこちらに来ていたら、ここまで英語漬けになることもなかったかもしれないし、一人でいろいろ調べたりやらなきゃいけなかったり、というような環境が、結果的に自分を強くしたような気がする。

MIT全体の卒業式でDeanが、これから世界に散らばるみなさん、と呼びかけていました。なんというか、それがこの学校というか、アメリカの現時点での強さだと感じました。日本の大学の卒業式ではなかなかそんな言葉は出てこない気がします。幸運にもそこで2年間を過ごし努力した人間として、得たものを活かし、ぜひ世界で働き、世界レベルの幸せな人生を築いていかねばならないと思わされました。

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