2010-2012年、MIT Sloan MBAプログラムに留学していました。アカデミックな話題から、ボストン生活、趣味まで、日々感じることを書いています。

October 14, 2011

国を背負い、時代を背負う人との遭遇

数えてみるといつの間にやら24ヶ月中18ヶ月が過ぎ、折り返し地点どころか3分の2が終了しました。月日がたつのは本当に早い。さぼりつつ、たまには集中したりして、2年生の今年もなんとか日々を過ごせてます。

今期はハーバードケネディスクールでリーダーシップの授業を取っているのだけど、それがなかなかに面白い。リーダーシップが教室で教えられるものかどうかという議論はさておき、クラスメイト(の一部)がすごすぎる。毎週誰かがリーダーシップの失敗体験を話すのだけれど、こないだはエチオピアの元防衛大臣というのが出てきて、国家の民主化の機運を前に進めることに失敗した、という話をする。いろんな思惑を持ったグループがいて、それがうまく力を合わせられなかった、結果として国民が民主化を望んでいたにもかかわらず、2000年代に入って国家は独裁の方向に逆戻りしてしまった。自分も思想弾圧で3年ほど刑務所に入れられた。そのことを振り返り、彼はどう動けたのか、についてクラスで議論をする。

分析のフレームワークとか、リーダーシップの理論とか、授業的にはいろいろあるんだけど、自分の中ではそんなものを圧倒するくらいに話の迫力がすごかった。すでに50代の彼が、卒業後国に帰って、国家のギアをもう一度入れるために、今アメリカで学んでいる、そのために貴重なお金と時間を使っている、という事実に身が締まる思いがした。彼にとっては、学ぶ理由、背負ってるものが時代なのだ。ちょっと自分のビジネススキルをつけるために、海外の経営大学院で学んでいます、というのとは訳が違う。でも、まったく同じお金を払って、同じ空間にいる。

そこから考えたのは、だから自分も一秒一秒を大切にしなければならないということ。別に彼と同じレベルで国を背負い、次代を背負おうと思う必要はないが、自分なりに目的感を持って、貪欲に生活する。しっかり勉強し、授業でも発言し、夜はクラスメイトと遊び、考え事もする。わざわざここまでやって来て、だらだらと無為に過ごす時間はない。

いやはや、残り8ヶ月なんてあっという間だ。そうこうしているうち、気持ち的には、すでに終了のゴングが聞こえる。卒業する最後の日に、後悔が残らないように、せめて今日いまできることを逃げずにやろうと思う。とはいえなかなか人間変わらないし、体は思ったように動いてくれないなと痛感しつつ。課題など、やらなきゃいけないことは(卒業しなきゃいけないから)もちろんやるけれど、自分のためにやったほうがよいことと来ると、すぐにさぼる。本当に人間は怠惰な生き物、水は低いほうに流れる。が、そこをぐっと食いしばってちょっとでもやるのだ、何事もやらないよりはましなのだ。そんなことを思った週末の夜でした。

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